ビッグスクーター

これをバイクと呼ぶことに抵抗を感じる人もいるでしょうが。

ビッグスクーターと秋の道

オートバイと言っても間違いではありませんが、ここまでに紹介してきたマシンと 同列に語って良いのか迷ってしまうビッグスクーターです。 ちょっと多きなスクーターなので、ギア操作の必要もありませんから本格的な ライダーが好む乗り物ではないかもしれません。 ですが自動2輪車の中ではバツグンに楽な姿勢で運転できますし、タンデムをしても 同乗者の姿勢も無理のないものになります。 町を走り回るのに丁度いいバイク、そんな評価になるでしょうか。 武骨さはありませんしオートバイ本来の楽しさも味わえませんが、便利な乗り物 という魅力があるので中古車の買取も活発なようです。 ソファに座っているような感じで楽に操縦できるので発売当初は年配者向けかと 思われていたようですが、最近は実に多くのカスタムパーツがありますしオシャレ に乗りこなす若者も急増中で、二十歳くらいの少年少女の足としての地位も不動 のものとなりつつあるようです。 デザインもヤング向けのスマートなものが増えており、自動車よりもビッグスクーター に乗りたがるティーンエイジャーが多いそうです。 そのような若者はアメリカンやレプリカのオートバイにはあまり興味を持たず、 純粋に普段の足として、趣味ではなく実用性で考えてこのバイクを選んでいます。 4輪の自動車は駐車場もきちんと用意しなければなりませんし、維持するだけでも 重量税や車検など多額の出費が発生します。 また免許証を取得するのも大変で、さらに新車で自動車を買おうとしたらこれまた 凄い出費になるのでわりと一大決心です。 でもビッグスクーターならそこまで高額な買い物ではありませんし、維持費も 自動車に比べたら微々たる物でしょう。 そろそろ自転車を卒業したい、でもマイカーを所有するほど裕福でもない、そんな 層にジャストミートしたのでしょう。 少し前なら原付バイクがそのポジションにいたのですがそれよりもオシャレで 乗りやすいビッグスクーターの登場で、あまり特徴の無い普通の原付バイクは劣勢 に立たされるようになってしまったのです。 ビッグスクーターの素晴らしい点は乗りやすさだけではなく、広い収納スペースを 実現している点も高ポイントです。 いつでも後ろに人を乗せられるようヘルメットを1つ収納することも出来ますし、 そこに自分の分も一緒に2個収納することだって可能です。 マシン本体のサイズが大きいのでそれだけのスペースを確保することができるのでしょう。 ここにはヘルメット以外の荷物を入れることも認められていますから、本屋さんで 買った週刊誌やライトノベルを入れてもいいですし、精肉店で手に入れたラードや 豚肉を収納してもいいわけです。 晩御飯の食材探しなんかのお買い物にも役立つマシンというわけです。 これはハーレーダビットソンやスーパースポーツではちょっとばかし無理がある、 というかそんなことに使っていいものなのか考え込んでしまうところですし、普段の 足として少量のお買い物に使える二輪車というのはやはり魅力がありますし、駐車場 にもそう困らないので重宝するでしょう。 バイクに乗りたい、ツーリングに行きたいという強い希望を持っている方にとっては ギア操作の無いビッグスクーターは選択肢に入らないかもしれませんが、生活する うえでの足が欲しいというのならこちらのほうが優れた点が多くなります。 たまに二人乗りをして誰かを運ぶ機会がある、とか通学や通勤に使う乗り物が欲しい、 という人ならば排気量の多いバイクではなく、ビッグスクーターが適するでしょう。 これなら新車でもハーレーダビットソンの中古車の買取価格よりも安いでしょうし、 入手難易度も決して高くはありません。